『十角館の殺人』あらすじ・感想紹介|基本ネタバレなし

ミステリ好きなら知らない人はいない、超有名な推理小説十角館の殺人』。

 

長らく本から離れていた私を一瞬にして引き戻した、印象的な一冊です。 

久々に読み返したので、衝撃の一行で有名な十角館の殺人』についてご紹介してみたいと思います。

 

「基本ネタバレなしってなんやねん」て感じかもしれませんが、これから読まれる方向けにネタバレになるところは隠してあります。(見たい人はタップorクリックで開けば見れまっせ)

 

暇つぶし感覚でどうぞごゆるりとのぞいていってください。

  

 

十角館の殺人』とは?

1987年に出版された、綾辻行人のデビュー作にして館シリーズの第一作目。

 

十角館の殺人』は新本格ミステリブームを巻き起こし、「綾辻以降」なんて言葉まで生まれました。

 

新本格ミステリってなんぞや」という方もいらっしゃるかもしれないので、簡単にご説明しときましょう。

 

まず本格ミステリとは、謎解きとかトリックとか、名探偵の推理なんかを主な目的としたものです。

「どうやって?」の部分にフォーカスしてるイメージですね。

 

そして本格的で古典的なミステリの人気が衰えてきた頃に台頭してきたのが、社会派ミステリ。

リアリティが重視されて、事件の背景や動機、「なぜ?」といった部分をしっかりと描いたミステリです。

 

綾辻行人のデビューによって、また本格的なミステリの人気が盛り返してきたとか。

そこでつけられたキャッチコピーが「新本格」というわけです。

 

この説明でいけてるんかな…まぁだいたいこんな感じ。(ざっくりし過ぎやろ)

 

昔と違って、警察の捜査からそう逃げられません。

奇妙な館の連続殺人事件とか、事件に首突っ込む名探偵とか、確かにリアリティないですしね。

 

20210105112903

でもそんな舞台とか設定って、どこかロマンみたいなんあるよね

 

やっぱり孤島とか、奇妙な館、見立て殺人、読者への挑戦、名探偵の活躍なんかにワクワクしてしまいます。

 

あらすじはこれからご紹介しますが、孤島を舞台に事件が起こる『十角館の殺人』は、そんな本格ミステリ好きには心躍る内容になってるんじゃないかと思います。たぶん。(たぶんてどうなん)

 

そういえば、漫画も出てました。

トリックとか、どうやって絵で表現するんかな〜って思いつつ…読んでないのでおもしろいかどうかとかはわかりませぬ。

 

 

それでは、あらすじをご紹介しましょう。 

 

あらすじ

半年前に凄惨な殺人事件が起こった孤島・角島に建つ十角形の奇妙な館「十角館」。

事件で焼死したといわれている建築家・中村青司の手によって建てられたその館に、大学のミステリ研究会の面々が訪れた。

やがて彼らを襲う連続殺人事件が発生する!

 

その頃本土では、かつて研究会のメンバーだった中村千織の死に関する告発書が、会員宛に送られてくる。

告発書を受け取った元会員の江南孝明は、中村千織の肉親を尋ねることにした。

江南はそこで出会った島田潔という男と、調査を開始することとなる。

 

登場人物

角島の登場人物

  • エラリイ
  • アガサ
  • ヴァン
  • カー
  • ポウ
  • オルツ
  • ルルウ

 

本土の登場人物

  • 島田 潔(しまだ きよし)
  • 江南 孝明(かわみなみ たかあき)
  • 守須 恭一(もりす きょういち)
  • 中村 紅次郎(なかむら こうじろう)

 

十角館の殺人』に登場するミステリー研究会のメンバーは、みんな古典ミステリーの作家名をニックネームにしています。

 

初めて読む方からすると、 角島の登場人物なんのこっちゃという感じかもしれませんが、ほんまにこれで呼び合ってます。

  

ポイント

 『十角館の殺人』のここがポイント!ってなところをご紹介します。

 

クローズド・サークル

 災害なんかが原因となり、外部との連絡や往来が断たれた状況をクローズド・サークルといいます。

 

嵐の孤島、吹雪の山荘なんていわれることもあります。

 

 『十角館の殺人』も、いわくつきの孤島で起こる連続殺人を描いたクローズド・サークルものです。

王道的な設定がたまりませんね。

 

本格ミステリと社会派ミステリでちょっと解説しましたが、現代では警察の手があるので名探偵の活躍の余地ってないんですよね。

なのでクローズド・サークル、つまり警察が介入できない状況下で事件が起きて、探偵役が解決といったパターンも多いです。

 

ちりばめられた古典ミステリへのオマージュ

アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』をオマージュした本作。

 

クリスティに限らず、いろんな古典ミステリへのオマージュがちりばめられています。

ミステリ好きは思わず反応してしまうんじゃないでしょうか。

 

島にいる研究会メンバーたちのニックネームなんてわかいりすい例ですね。

あんまり書いちゃうとおもしろくないかもしれないので、ぜひ探してみてください。

 

最後に:感想

舞台は凄惨な事件が起きたいわくつきの孤島。

クローズドサークルで次々と起こる連続殺人…館の平面図とか、島全体図なんかもはさまっていて、ミステリ好きが反応せずにはいられない要素が盛りだくさん。

   

いわくつきの孤島に怪しい館、古典ミステリ作家の名前で呼び合うミステリ研究会、ある女性の死に関わる告発書…「そらなんか起こらん方がおかしいやろ!」ってな感じですよね。

 

案の定連続殺人起こるんですけど。

 

・連続殺人事件が起こる角島

・事件の背景を追う本土

 

ミステリらしい「非現実的な孤島での事件」と「現実的な本土の捜査」の描写が交互に描かれ、見事に交わった瞬間は痺れました。 

ミステリ好きほど騙されるんかなぁと思っています。

   

十角館の殺人』の重要なトリックについては、タップorクリックで開かないと見えないようにしておきます。

これから読みたい人の目に触れたら申し訳ないので、一度読んで思い出したい方がいらっしゃったらどうぞご覧ください。

 

 

古典ミステリ作家の名前をニックネームにしている、ミステリ研究会のメンバーたち。

 

主人公で元メンバーの江南孝明(かわみなみ たかあき)のニックネームは「ドイル」でした。ホームズで有名なコナン・ドイルですね。

でも島田は、江南という字からドイルではなく「コナン」と呼ぶんです。

 

そして問題の守巣です。

本土にいる彼のニックネームは終盤まで明かされません。

 

ですが読者は、江南=コナンのイメージから「守巣=モーリス・ルブラン」だと勝手に思い込んでしまうわけですね。

 

そして物語の終盤に、島田が守巣のニックネームを聞くと、、、、

 

 

ヴァン・ダインです」

 

 

「ヴァ…!?お、おまっ!モーリス・ルブランちゃうんか〜〜〜〜〜〜〜い!!」と心の中で私史上最高にキレッキレのツッコミが出ました。(なんのひねりもないツッコミやな)

 

ヴァン・ダインといえば、彼は島にいたわけです。

生き残って本土にいる、それはつまり犯人である。

 

見事な思い込みを利用したトリックでした。

 

 

新装改訂版は、『十角館の殺人』を最高に楽しめるようページに工夫されているので、これから読むならぜひ新装改訂版をどうぞ。

  

よくミステリー初心者向けにおすすめとして紹介されていますし、私も「おすすめの推理小説ない?」と聞かれたら『十角館の殺人』は絶対に紹介します。

 

 

もう一度記憶を消して、読み直したい〜〜〜〜。